販売する弁当箱の選び方:電子レンジ、密閉、漏れの確認方法
弁当箱は材質の違う複数の部品でできています。「電子レンジ対応」も「漏れない」も、本体の樹脂ではなく、組み上がった製品全体についての表示です。
弁当箱は 1 つではなく 4 つの部品
「この弁当箱は電子レンジに使えるか」と聞かれたとき、正直な答えはどの部品の話かで変わります。
- 本体:当社の製品では多くが PP です。電子レンジに使えるかは、その製品の樹脂グレードと肉厚設計で決まるため、製品そのものの表示と取扱説明で判断します。
- 蓋:別の材質のことが多く、同じ材質でもクリップ、ヒンジ、通気口があると加熱時の挙動が変わります。
- パッキン:蓋についているシリコーンのリングやガスケット。独自の耐熱限度があり、不用意な加熱で最も傷みやすい部品です。
- ステンレスの中皿:当社の弁当箱の一部にはステンレスの内トレーがあります。金属は電子レンジに入れられないため、外側の材質が何であれ、それらは電子レンジ用ではありません。
「PP なら電子レンジ OK」と言わない理由
「この樹脂は大丈夫、あれはだめ」と、材質ごとの一律ルールをよく見かけますが、当てになりません。同じ PP の弁当箱でも、樹脂グレード、肉厚、蓋の設計、加熱時間によって電子レンジでの挙動は大きく違います。
ですから、表示は樹脂ではなく完成品に対するものです。品番ごとに、箱の表示、取扱説明、その根拠となる試験条件で判断します。パッケージに電子レンジ対応と書くなら、どの試験に基づくのか、どんな条件なのかを工場に確認し、書面で残してください。
各プラスチックの温度に対する一般的な性質は、当社の耐熱・食洗機対応表をご覧ください。ただし、それは背景知識であって、表示の根拠ではありません。
2 種類の漏れ、2 つの原因
バイヤーは「漏れる」とひとことで言いますが、実際には 2 つの別の不具合で、直す場所も違います。
- 外への漏れ:液体が蓋から外に出る。パッキンの収まり、クリップの締め付け、蓋と本体のはめ合いといった密閉の問題です。
- 仕切り間の漏れ:外は乾いたまま、汁物やソースが隣の区画に流れ込む。仕切り壁が蓋まで届いて押し当たっているかという、仕切りの問題です。
1 つ目に合格しても 2 つ目で不合格になることがあります。「仕切り付き」「混ざらない」として売るなら、両方の確認が必要です。
当社が勧める漏れ確認の方法
サンプルと量産品の確認用に、当社がバイヤーにお勧めしている方法です。業界標準ではなく当社の推奨手順ですので、合否基準は量産前にサプライヤーと取り決めてください。
- 平置き:通常の使用量まで水を入れ、使う人と同じように蓋を閉めて置いておく。縁とクリップ周りに染み出しがないか見る。
- 逆さ:閉じた弁当箱を逆さにして保持する。当社の一般的な漏れ試験では 30 秒。1 滴も落ちなければ合格。
- 振る:バッグに入れて持ち運ぶように振る。1 滴も落ちなければ合格。
- 仕切り間:1 つの区画に色水を入れ、他は空のまま閉じて、逆さにして振る。隣の区画が乾いていれば合格。
水量、保持時間、合否基準を検品基準に書いておけば、第三者検品員もサンプルで行ったのと同じ確認を行えます。
品番を選ぶ前に確認すること
- この品番で、電子レンジ使用可と表示されている部品はどれで、不可の部品はどれか。
- 蓋のパッキンは洗うために外せるか。交換用はあるか。
- 外への漏れ防止、仕切り間の漏れ防止、どちらを(または両方を)うたう製品か。
- ステンレスの部品は含まれているか。
- 販売先の市場向けに、どの食品接触の試験報告書があるか。
発注前にこの 5 つを聞くだけで、弁当箱で当社が目にするクレームの大半はなくなります。