プラスチックで Pantone 色を合わせる:なぜ完全一致しないのか、どう承認するか
Pantone 番号は出発点であって保証ではありません。量産品が期待どおりの色になるかどうかを決めるのは、色をどう承認するかです。
100 % 同じにはできない理由
Pantone の見本は紙に刷ったインキです。プラスチックはそれ自体に色のある別の素材で、仕上がりの色は樹脂温度、圧力、冷却速度でも少しずつ動きます。さらに、見る光(室内灯か自然光か)でまた変わります。
工場が正直に約束できるのは、目で見て正しく見え、業界の色差許容範囲に収まる色です。プラスチックで完全一致を約束するのは、測れないことを約束しているのと同じです。
同じ Pantone でも PP と Tritan では違って見える
PP はもともと乳白色で半つや消しです。コポリエステルの Tritan は透明で明るい素材です。同じ着色剤を入れると、透明な素材では色が深く鮮やかに、PP では明るくやや灰色がかって見えます。
ですから PP の蓋と Tritan のボトルを「同じ Pantone」で作っても、並べると同じには見えません。店頭で並ぶなら、ペアとして一緒に承認してください。
当社の許容差
色は 2 つの方法で判定し、ロットは両方に合格する必要があります。
- 測定:承認済みの基準に対して色差 ΔE 3〜4 以下。成形プラスチックで一般的な許容差です。ΔE が小さいほど色は近くなります。
- 目視:D65(標準昼光)の光源ボックスで、承認済みの色見本板と比較。
最も難しい仕上げ
易しい順に、透明色、次にフロスト(すりガラス調)、次にパールと蛍光色です。
パールや蛍光の顔料は温度や混ぜ具合のわずかな変化に反応するため、条件が少しずれるだけで色が変わります。色の合わせ直しが最も多いのがこれです。ラインナップに含まれるなら、色承認を1 回余分に見込んでください。
マスターバッチの最小ロットと小口注文
専用の着色マスターバッチは、通常 5〜10 kg が最小ロットです。大口注文なら問題になりません。珍しい色の小口注文では、そのほとんどが使われず、工場がその費用をかぶります。
だから特別色の小口注文には、たいてい調色費がかかります。小さな初回ロットで市場を試すなら、すでに生産中の色に近い色を選べばその費用の大半を避けられます。いま流れている色を聞いてみてください。
画面の問題
色をスクリーンショットや「当社サイトの青」でいただくことがよくあります。スマートフォンやパソコンの画面はそれぞれ違い、明るさも変えられるので、画面は色の基準になりません。
当社の手順はいつも同じです。
- 現物の色見本帳に印刷された Pantone 番号をいただく。
- 当社が成形して現物の色見本板をお送りする。
- その見本板に署名していただき、画面でもデータでもなく、その署名済み見本板を量産の基準にする。
最初に 1 工程増えます。そのかわり、最後に最もよくある色のクレームがなくなります。