樹脂の試験報告書と完成品の試験:ドリンクウェアのサプライヤーの書類が実際に示すもの
ドリンクウェアのサプライヤーに試験報告書を求めると、樹脂の書類一式が届くことがよくあります。役に立つ書類ではありますが、ご購入になる製品そのものの試験ではありません。書類の見分け方をご説明します。

3種類の書類
| 書類 | 対象 | わかること |
|---|---|---|
| 樹脂の試験報告書 | 樹脂メーカーのグレード。ペレットまたは成形した試験板で試験 | そのグレードが US FDA 21 CFR 177.1520 や中国の GB 4806 シリーズなどの規格に適合しているか |
| 安全データシート(MSDS / SDS)または輸送分類 | 化学品としての樹脂 | 取り扱い、保管、輸送の方法。食品に対して安全かどうかではありません |
| 完成品の試験報告書 | 御社のカップ、ボトル、弁当箱(その色のもの) | 販売される状態の製品に対し、御社市場の規格に基づいて行う溶出試験などの試験 |
樹脂の報告書の対象範囲
当社が購入する樹脂グレードには、認定試験所による各メーカーの報告書が付いています。たとえばポリプロピレンの場合、次の内容が含まれます:
- US FDA 21 CFR 177.1520(オレフィン系ポリマーに関する FDA の規則):密度、ヘキサンおよびキシレンでの抽出物、融点。
- 中国の食品接触用プラスチックに関する GB 4806.7、および添加剤に関する GB 9685。
- EU REACH の高懸念物質(SVHC)スクリーニング。
- RoHS、およびフタル酸エステルの含有量と溶出。
ボトルグレードの PET については、樹脂メーカーの報告書が中国の食品接触用樹脂に関する GB 4806.6 を対象としています。
これらの報告書は、ベース材料の選択が妥当であることを示します。ただし、1ページ目をよくお読みください。依頼者は樹脂メーカー、試料は樹脂であり、結果は試験した試料にのみ適用されると記載されています。
樹脂の報告書が対象としないもの
- 御社の色。マスターバッチは成形機で加えます。当社の場合は食品グレードのマスターバッチで、通常 1〜4 % です。樹脂の報告書にはこれが含まれません。
- その他の部品。フタ、パッキン、ストロー、中栓などは別の材料であることが多く、それぞれに書類があります。
- 御社市場での製品に対する試験。たとえば EU 10/2011 は、完成品で試験する溶出限度を定めています。ドイツの LFGB や Mercosur の食品接触規則も製品に対して適用されます。
- 表示内容。パッケージに「食洗機対応」や「電子レンジ対応」と表示するには、その条件での試験が必要です。
安全データシートや危険物分類は、食品接触については何も示していません。食品安全に関する質問への回答としてサプライヤーがこれを送ってきた場合は、改めてお尋ねください。
完成品の試験が必要な場合
- 御社の市場または小売先が製品の試験報告書を求めている場合。EU、LFGB、Mercosur 向けでは、これが通常です。
- 新しい色、飲み口付近の印刷、新しい材料がある場合。
- パッケージに使用条件の表示がある場合:温かい飲み物、電子レンジ、食洗機。
- 子ども向けの製品である場合。
注文で必要な場合、当社は承認済みの色の製品サンプルを第三者試験所に送り、御社市場で求められる試験を行います。お問い合わせの段階で仕向地と規格をお知らせいただければ、試験を生産の後ではなく生産と並行して進められます。
書類ファイルのチェックリスト
- 材料ごとの樹脂メーカーの報告書(グレード名の記載があるもの)。
- 色ごとのマスターバッチの書類。
- 御社市場向けの完成品試験報告書(モデルと色の記載があるもの)。
- 食品に触れる各部品の書類:本体、フタ、パッキン、ストロー。
- 承認済みサンプルと仕様書。報告書と一緒に保管します。
表示と試験報告書の確認に関する当社の記事では、報告書を製品と照らし合わせて読む方法を説明しています。