二重構造プラスチックタンブラー:超音波溶着の確認と、壁の間への水の侵入や曇りを防ぐ方法
二重構造タンブラーは、2つのカップを口縁部で接合したものです。接合が良好であれば、誰も気づきません。そうでなければ、壁の間に水が入り、外から見えるうえに洗浄もできません。
構造
内壁と外壁は別々に成形され、口縁部で接合されます。通常は超音波溶着を用い、2つの部品を押し合わせながら高周波振動を加えて、樹脂の小さな突起を溶かし、密封します。この密封された空間により、一重構造よりも外側が濡れにくく、飲み物の温度も長く保たれます。
製品として重要な点はすべて、この溶着が全周にわたって途切れなく続いているかどうかにかかっています。
起こりやすい不具合
| お客様に見える症状 | 主な原因 |
|---|---|
| 壁の間の水、曇り、水滴 | 溶着部の隙間や弱い箇所から、洗浄中に水が入る |
| 壁の間の黒い斑点 | 入り込んで残った水 |
| 口縁部の割れ | 溶着の強度不足、または落下で応力がかかった溶着部 |
| ストローが抜ける | 抜け止めリングがない、またはストローがフタに合っていない |
| テーブルに飲み物がこぼれる | こぼれにくいだけのストロー付きフタを、漏れ防止として販売している |
壁の間に入った水は、お客様が洗浄することも乾かすこともできません。そのため、溶着の品質がこの製品の返品の有無を左右します。
溶着の確認
以下の確認項目と抜き取り数を検査基準で取り決めてください。
- 外観:溶着ラインが全周にわたって途切れなく続き、隙間、焼け跡、唇が触れる位置のバリがないことを確認します。
- 浸漬:当社の漏れ試験に関する記事の浸漬試験と同様に、タンブラーを水中に沈め、溶着部から気泡が連続して出ないかを観察します。気泡が連続して出る場合、そこが漏れの経路です。
- 温水確認:材料の許容範囲内の温水を入れ、壁の間に曇りが発生しないかを確認します。
- 洗浄後:食洗機対応として販売する場合は、取り決めたサイクル数の食洗機洗浄後に浸漬確認を再度行います。
溶着の確認は、承認サンプルだけでなく量産品でも実施してください。溶着条件は変動することがあり、サンプルで完璧だった溶着がロット全体でも同じである保証はありません。
材料と温かい飲み物
二重構造にしても、プラスチックの耐熱温度は変わりません。冷たい飲み物用の材料は、二重構造タンブラーに使っても冷たい飲み物用の材料のままです。販売する飲み物に合わせて材料を選び(上限温度は当社の温度一覧表に記載しています)、その温度をパッケージに表示してください。
ストローとフタ
- ストローの先端近くに抜け止めリングを付けると、ストローがフタから抜けなくなります。
- ストローとフタのパッキンは、カップとは別に食品接触の確認を行ってください。
- ストロー付きフタは飲み物の飛び散りを防ぎますが、漏れ試験に合格しない限り漏れ防止ではありません。当社の一般的な漏れ試験方法は、逆さにして30 秒置いた後に振り、水滴が出ないことを確認するものです。この試験に合格していないフタに「漏れ防止」と印刷しないでください。
仕様書への記載
- 材料と、タンブラーの販売上の対象となる飲み物の温度
- 溶着の確認(外観・浸漬・温水)と、その抜き取り数および実施段階
- 食洗機対応の表示と、取り決めたサイクル後の確認
- 抜け止めリング付きストローと、フタの性能(こぼれにくい、または漏れ防止)
- 印刷・装飾の位置と、その密着試験
良好なタンブラーでは、溶着部は目に見えません。ロット全体でその状態を保つのが仕様書です。